治療院のホームページに患者の声・体験談は掲載NG?医療広告ガイドライン違反を避ける信頼構築の方法
この記事の結論
治療効果に関する患者の声・体験談をホームページやSNSに掲載することは、医療広告ガイドラインで原則禁止されており、あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師・柔道整復師(あはき柔整)についても2025年2月の改定で同様の規制が整理されました。整体院など無資格の施術業であっても、効果をうたう体験談は景品表示法上のリスクがあります。すでに掲載している場合はまず洗い出しと見直しが必要です。信頼を伝える手段は体験談だけではなく、資格・経歴の明示や院内情報の透明性、Google口コミへの丁寧な対応など、規制に触れない方法で十分に構築できます。
「患者の声」を載せる前に知っておくべきリスク
治療院を探している人の多くは「本当にここで良くなるのだろうか」という不安を抱えており、実際に治療を受けた人の声には説得力があります。だからこそ、多くの治療院がホームページに患者の声や体験談を掲載してきました。
しかし、この「効果がありました」という体験談の紹介は、医療広告ガイドライン上、原則として禁止されている表現です。良かれと思って掲載した内容が、知らないうちに広告規制違反になっているケースは少なくありません。まずはどこまでがNGで、どこまでなら問題ないのかを正しく理解することが、集客施策を考える前提になります。
医療広告ガイドラインが禁止している範囲
医療機関のウェブサイトは、医療法上の広告規制(医療広告ガイドライン)の対象です。ガイドラインでは、患者等の体験談について「個人の感想であり、治療等の内容や効果等に関する広告としては、他の受診者等における当該治療等の結果を保証するものではなく、誤認を与えるおそれがあるため」原則禁止としています。
ポイントは以下のとおりです。
- 効果・効能に触れる体験談はNG:「腰痛が良くなった」「痛みが取れた」など、治療の結果を示す内容は、良い評価であっても悪い評価であっても原則掲載できません
- 良い評価だけを選んで載せる行為も対象:都合の良い体験談だけを恣意的に抜粋して紹介する行為も禁止の対象に含まれます
- ウェブサイトも「広告」として扱われる:チラシや看板だけでなく、自院のホームページやSNSアカウントでの発信も広告規制の対象になります
- Google口コミの転載も同様:既存の口コミサイトに投稿された体験談であっても、それを自院の広告(ホームページ等)に転載・引用すれば同じ規制がかかります
⚠️ 注意
あはき柔整も2025年2月の改定で規制が整理された
あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師・柔道整復師(あはき柔整)は、医師とは異なる法律(あん摩マッサージ指圧師等に関する法律、柔道整復師法)で広告のルールが定められてきましたが、2025年2月の改定により、体験談の扱いを含めて医療広告ガイドラインに準じた考え方へと整理されています。
つまり、整骨院・接骨院・鍼灸院・マッサージ院など、あはき柔整の国家資格を持つ施術者が運営する院についても、治療効果に関する患者の声・体験談は、原則としてホームページやSNSに掲載できないという理解を前提に運用する必要があります。自院がどの資格区分に該当するかによって適用されるルールが変わるため、判断に迷う場合は保健所や所属団体、顧問弁護士など専門家への確認をおすすめします。
整体院など無資格の施術業も景品表示法のリスクに注意
国家資格を持たない整体院・カイロプラクティックなどは医療広告ガイドラインの直接の対象ではありませんが、だからといって体験談を自由に使ってよいわけではありません。
景品表示法では、実際の効果よりも著しく優れているように見せる表示(優良誤認表示)を禁止しています。「腰痛が3回の施術で完治しました」といった体験談を、効果を裏付ける合理的な根拠がないまま掲載すれば、景品表示法違反に問われる可能性があります。加えて、身体の不調の改善・治療をうたう表現は、資格の有無にかかわらず薬機法・医師法との関係も問題になり得るため、「無資格だから体験談は自由」という考え方はリスクが高いといえます。
すでに患者の声を掲載している場合の見直しチェックリスト
過去に掲載した体験談がある場合は、以下の手順で洗い出しと見直しを行いましょう。
- 掲載箇所を全て洗い出す:トップページ、症状別ページ、専用の「患者様の声」ページ、ブログ記事、SNSの過去投稿まで含めて確認する
- 効果・効能に触れているものを特定する:「良くなった」「改善した」「痛みが取れた」など、治療結果を示す表現が含まれていないかチェックする
- 該当するものはすべて削除する:良い内容・悪い内容を問わず、効果に言及した体験談は掲載を取りやめる
- Google口コミの引用・転載も同様に確認する:自院サイトに口コミを転載している場合は、効果に触れていないか個別に確認する
- 判断に迷うものは専門家に確認する:グレーゾーンの表現は、保健所や所属団体、弁護士など専門家に相談してから判断する
💡 ポイント
体験談に頼らず信頼を伝える方法
体験談を使わなくても、事実に基づく情報発信で信頼を積み重ねることは十分に可能です。
1. 資格・経歴を明確に示す
施術者の保有資格、免許取得年、研修歴、専門分野などを具体的に記載します。「国家資格保有」という事実そのものが、体験談よりもリスクの低い信頼材料になります。
2. 院内・設備の情報を丁寧に伝える
院内の写真、使用している設備、衛生管理の取り組みなど、効果を示唆しない事実ベースの情報は問題なく発信できます。
3. 施術方針・料金の透明性を高める
初回の流れ、施術内容、料金体系をわかりやすく明記することで、来院前の不安を減らせます。効果を保証する表現ではなく、「何を、いくらで、どのように受けられるか」という事実の説明にとどめます。
4. スタッフ紹介で人柄を伝える
院長やスタッフの経歴、施術に対する考え方、休日の過ごし方などのプロフィールは、効果を語らずに親近感を伝えられるコンテンツです。
5. 一般的な健康情報を発信する
症状のメカニズムやセルフケアの一般知識など、特定の患者の体験に紐づかない情報発信であれば、体験談規制には抵触しません。出典を明記し、断定的な効果表現を避けることが前提です。
Google口コミへの向き合い方
Googleビジネスプロフィールの口コミは、患者が自発的に投稿するものであり、院側が直接コントロールするものではありません。ただし、次の点には注意が必要です。
- 良い口コミだけを依頼するのはNG:Googleの口コミポリシーでは、特定の内容や星評価を条件に口コミを依頼する行為、特典と引き換えに口コミを集める行為を禁止しています
- 返信は丁寧に、効果を保証しない表現で:口コミへの返信自体は推奨されていますが、返信文の中で「必ず改善します」のような効果を保証する表現は避けましょう
- 自院サイトへの転載は体験談規制の対象になり得る:前述のとおり、効果に触れる口コミを自院の広告に転載すれば、医療広告ガイドラインの規制対象になります
まとめ
治療効果に関する患者の声・体験談は、医療機関だけでなく、あはき柔整の国家資格者、そして整体院などの無資格施術業まで、広く規制・リスクの対象になります。
- 医療広告ガイドライン:治療効果に関する体験談は原則禁止(Webサイトも対象)
- あはき柔整:2025年2月改定で体験談規制を含むルールが整理された
- 整体院等:景品表示法上の優良誤認表示リスクがある
- すでに掲載がある場合:全箇所を洗い出し、効果に触れる内容は削除する
- 代わりに使えるもの:資格・経歴、院内情報、料金の透明性、スタッフ紹介、一般的な健康情報
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よくある質問
「効果があった」と書かなければ患者の声を載せても大丈夫ですか
治療結果に触れない、接客対応や院内の雰囲気に関する感想であれば、体験談規制に抵触するリスクは相対的に下がります。ただし、文脈によっては効果を示唆していると受け取られる可能性もあるため、判断に迷う場合は掲載を避けるか専門家に確認することをおすすめします。
Googleの口コミに書かれた内容は自分では削除できないのですか
Googleビジネスプロフィール上の口コミは投稿者本人か、ポリシー違反に該当する場合のみGoogleへの申請で削除できます。院側が自由に消すことはできません。だからこそ、口コミへの丁寧な返信対応が信頼構築の手段として重要になります。
すでにホームページに体験談を載せてしまっています。今すぐ何をすればいいですか
まずは掲載箇所をすべて洗い出し、治療効果に言及している体験談を特定してください。該当するものは速やかに削除し、判断に迷う内容は保健所や所属団体、弁護士などの専門家に確認しながら対応することをおすすめします。
監修: 小川葵(株式会社PROST 代表取締役)
店舗ビジネスのSNS集客(Threads/Instagram)・LINE構築・AI活用支援を手がける。本メディアはPROST編集部がAIを活用して制作し、代表が監修しています。
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